平成23年本試験問題について

本年の設計製図試験の問題の特色と、各練習課題において学習した点を述べています。

問題の特色

1. 療養室は従来型
国の施策がユニット型に舵を切っている現在、大方の予想に反して、4人室を含む従来型であった。ただし、練習課題2、6において学習していたため、不安は無かったことと思われる。
2.「介護保健法、医療法・・・考慮しなくてもよい。」の一文が無かった
この一文が無く、従来型であるということは、中廊下の有効は2.7m以上としなくてはならない。 上記一文を削除し、従来型中廊下に対応する問題は練習課題6にあった。
3. 機能訓練室、および浴室Aを通所者(デイケア利用者)と入所者が共用
部門分けが無く、機能訓練室、浴室A、レクリエーションルームを通所者と入所者が共用する。このような共用を前提とした問題は練習課題3にあった。
4. 敷地接道
東西2並行道路であり、その道路を挟んで集合住宅(否定的用途)、北がサテライト型の本体となる病院、南側が公園という共に肯定的用途であった。ただし、東側道路斜線については、西側主道路の適用距離30m外ではあるが、幅員18mの2Aかつ35m以内の範囲に敷地が含まれる事から、東側にも18mの道路があるものと考えてよかった。(つまり、実質的には考慮しなくてよかった。)
5. 敷地の大きさ
正方形に近い形であり、南北38m×東西35mは、練習課題2(従来型)と全く同様であった。
6. 用途地域
第一種住居地域であり、南側は公園なので採光緩和があるが、北側に面して利用者用居室がある場合、基準階の3階であれば3.5m、5階が北面で揃っていれば、1階においては6mの後退が必要となり、現実的ではなく、光庭の導入が必要(留意事項(1)③には「食堂、食堂・デイルーム、レクリエーションルーム等の共用部については、自然光を積極的に取り入れる・・」とある)と思われる。 正方形に近い敷地における光庭の導入については、練習課題1、6において学習した。
7. 配置において「1階又は2階」指示の室が多く、面積が大きい
このような場合、かなりの部分が2階配置になるものと考えられ、解法については練習課題3、4、5、6において学習した。
8. 留意事項(1)①「バリアフリー、セキュリティ等に配慮する。」
バリアフリーについては特別特定建築物であるから、誘導基準を満たすことは当然であるが、セキュリティについては練習課題1で記述を含め出題したので、対応に迷うことはなかったはずである。
9. 留意事項(1)②「・・・避難等に配慮する。」
2つの避難階段による内部2方向避難と、療養室にバルコニー+適切な避難器具または屋外階段があれば好ましい。「避難」をキーワードとするバルコニー、避難器具等に関する対応は練習課題2、4、6において行った。
10. 留意事項(2)③「・・耐力壁等を設け、・・」
3平面における耐力壁等の解釈において、開口の多い方向において、横K型ブレースの配置については、練習課題1で学習した。
11. 留意事項(3)②「地震等の災害時においても、一定の機能を維持できるように配慮する。」
インフラ途絶を想定した対応については練習課題4において学習した。

以上が今年の製図本試験の特色であったが、全て練習課題において学んだ事項であるため、6課題を通して添削を受け、解答、解説を消化した人にとっては、予想外の項目は無かったものと思われる。


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